受講しました:みくゼミ第3期Bクラス5日目(補講)

Jan 12, 2020

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受講してきました。Bクラス。

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6回コースの第5回。
第3回と第4回、第6回は、結婚式や出張と重なり欠席。そして第5回は昨年、台風のため延期となり、この日となった。
感想を書き留めておく。

感想

今回は「インプロを教えるということ」というテーマ。
これを受けたくて、みくゼミBを受講した。

結果、自信を喪失した。

自分の至らないところ、洗練されていないところが、バッチリわかってしまった。
そして、いい例まで目の前で見せられ、納得してしまったことから、自分の技術のなさが分かってしまった。

すでに、即興をテーマに講座をやってほしい、みたいな引き合いはあるし、その中でワークショップ形式も取り入れることになるだろう。
その時は、やっぱりやるんだろう。
ただ、ファシリテーターをやることについて考える時間をまとめて取らないと、人前に立てないなと思った。

まあ、つまり、いま自信は喪失したが、次回の私の作る場はもっともっと良くなるということだ。

メニューのメモ

ここから、受講メニューのメモをひたすら残しておく。10時から17時、休憩1時間の講座。

新年に行ったことを2人組でシェア

参加者同士の、プライベート/パーソナルなことを交換する。
京都旅行の話、家族のインフルエンザの話が聞けた。

 

最初に立てた目標を読み返す時間

6月時点、受講開始時にこう書いてた。

自分としてはインプロを教えるということについて磨きをかけたいという大目的があるが、それを順に具体化させていくと意外と繋がってなかったりして、再考の余地ありだなと思った。 自分のこだわりをシンプルな言葉で書けるようにしておきたい。

ココロドォル研究所の名刺ディレクター小林さんと7時間以上にわたるディスカッションの結果、名刺に書くことになった「あなたの苦労がオモローに変わる」という言葉に集約されると思うが、これについて語る言葉がまだまだ足りないなと思った。
シンプルではあるけど、熱量はまだまだ上がるな、と。

現時点では、

  • 苦労
    • 弱さ、自信のないエリア、そうさせるに至ったバックグラウンド
  • オモロー
    • 魅力、人を笑わせる、あたたかい気持ちにさせるもの。笑われるような失敗。財布が開かない、とか。
  • 苦労がオモローに変わる
    • 弱さ、自信のないところを高い勇気をもって前面にさらし、周囲の人を「観客」にすること。 ⇦これ、演劇そのものやないか!!

などと考えている。  

座学:ワークショップとは何か?

ワークショップと指導/レッスンは違う。 自分がやりたいのが、指導/レッスンなのか、ワークショップなのか。これを戦略的に混同するならいいが、知らずに使っていると、お客様に不都合なことが起こり、開催側も責任を問われることがある。

違いを整理すると、こんな感じ。

分類 指導/レッスン ワークショップ
目的 上達 体験
場を預かる人 講師 ファシリテーター

多くの演技レッスンは「ワークショップ」と誤用されるのがむしろ一般的であるので、言葉の定義を知っておかないと痛い目を見そう、ということだった。

住吉さんは青山学院大学のワークショップデザイナー育成プログラムを修了されたそう。
これかな? → http://wsd.irc.aoyama.ac.jp/

インプロのワークショップを開く、というのはとてもデリケートなことだ、と注意喚起したところで、ワークショップを作るためには、というテーマに入り込んでいく。

ワークショップを作る要素

本題。
要素は次の6つとしていた。

  1. ヒアリング・企画
  2. メイン
  3. アップ
  4. エクササイズ
  5. フィードバック
  6. アシスタント

それぞれ、ひとつずつ解説していた。

ヒアリング・企画

クライアントから依頼があり、ワークショップを企画するときに気にすべきポイントを整理した。

  • 対象者
    • インプロとの距離。インプロはじめてなのか? ある程度経験があるのか?
    • 年齢層
    • 性別、女性のみ、男性のみ、男女混合 ?
    • 職業。表現系? 表現じゃない系?
  • 目的
    • クライアントの目的 + 真の目的を考える。
    • 真の目的:クライアントが持つインプロの効果と、実際の効果は異なる場合があるため。
    • クライアントの目的を具体的に定義する必要がある。合意形成? フラットな関係にしたい? 仲良くさせたい?
    • クライアントが思っている課題は何で、自分が持つインプロの要素で何ができるかを考える
  • 共通語
    • 相手の言語を使う。インプロの専門用語を使ってもわからない。
    • 例。社長「社員をソウルメイトにしたいんだよ」といえば、ソウルメイト、という言葉を使う。

これをふまえて、参加者同士2人組で、クライアントと企画者というロールプレイをやった。

どの項目も納得感が高い。
自分が企画するとき、特に「共通語」を気をつけないといかんなと思う。
同じ用語でも意味が違うことが、よくある。

メイン

コース料理でいうメインディッシュ。
目的を達成するために主となるエクササイズを決める。

メインを決める要素となるのは、

  • 達成感があるもの
  • 全体感があるもの
  • 少しチャレンジがあるもの としている。今回のワークでどんな気持ちになってほしいのか、というところから作るとよいかもしれない。

たとえば、「はじめてのインプロ」という住吉さんのコンテンツだと、シーンをやらないそうだ。
ワンワードでストーリーができた、ということを達成とする。
この場合はワンワードがメインなのだろう。

長めのワークショップの場合、前半・後半でそれぞれメインがあってもよい。午前・午後とか。
1時間、2時間のワークで、メインが二つ以上あると多すぎる。
これは共感、、、絞らないと、何を言いたいのかさっぱりな結果となってしまう。

アップ

目的はアイスブレイク。
人が集まって何かをやる、自由にやる、というときにはアイスブレイクが行われる。

さらに踏み込み、アイスブレイクの目的を考える。

  • 場を安全であると分からせる
  • ここにいる人に慣れる
  • 身体、声、心をうごかす

これらを達成するための、住吉さんがよく使うものは、次の三つ(三段階)。

  • 第一段階:2択ゲーム
    • 失敗する可能性が低い。傷つきづらい。自分の仲間がいる。他人との共感。一人一言ずつ、なぜそちらを選択したのかを喋ることによって、話を聞いてもらえるという雰囲気を作れる。アシスタント2人つけて、バラけるように指示している。
  • 第二段階:共通点探しゲーム
    • 知らない人とペアを作る、という心理的ハードルがある。これを解消する。共通点、少ないなら少ないからこその意味がある。テンション上がったものを共有する、とか。合わないなら合わない、ということから学べることを提示する。また、Non Verbalで共通点探しゲームをする。Non Verbalを作ることによって、相手と「話したい!」と思わせる。
  • 第三段階:自己紹介
    • 自己紹介をいきなり始めると、マウントになっちゃうことがあったり、何もいえなかったりする。それが印象になってしまうと、参加者同士の印象が悪くなってしまうおそれがある。長く喋らせないよう、項目を3つ作る。その中にくだらないことを入れる。その人の内側が見れる。本人が話そうとしてない、本人のパーソナルなものを入れる。好きなおにぎりの具なんて考えたこともなかった、とか。たとえば、
      • 呼ばれたい名前
      • ここにきた目的を一言で
      • すきなおにぎりの具・味噌汁の具
    • 夏休みの予定は? と聞くと、言いたくないものがあったりする。駅からこの会場に来たときに気になったもの、とかもいい。とにかく、受講者同士が、お互いを愛しいなと思えるようなもの。ほかにも、次のようなこともやる。
      • モノを媒介とした自己紹介
      • 他己紹介をする

アップは、稽古やワークショップの場に集中するために、気持ちをリセットする意味合いもある。会場までに嫌なことがあったりすると、メニューに集中できない。
2時間のワークショップであれば、45分から1時間はアップに使うような時間配分がよい。

誰かが作ったメニューはできない。自分の体験がないから。
誰かが作ったメニューに共感したら使ってもいいけど、、、、

エクササイズ

メインを達成させるために階段を作るようなイメージで、エクササイズを入れる。

たとえばペーパーズがメインであれば、

  • 正当化
  • キャラクターを演じる
  • 感情を使う

という要素に分解し、それぞれをクリアすればペーパーズができるようにする。たとえば、

  • スピットファイア
  • 何やってるの+感情投げ入れ
  • サンキューゲーム
  • フリーズタグ
  • スペースジャンプ

など。
非言語なほうがハードルが低いため、サンキューゲームから始める、などの工夫が必要。
スピットファイアは「一人語り」という要素があるため、ペーパーズよりもハードルが高く感じる人がいるかもしれない。

ここで体験ワーク。
メインを講師から与えて、それに対するハシゴをかけるようにエクササイズを設計し、受講者同士で披露してフィードバックを互いに受けるという仕組み。

メインは「エモーショナルリプレイ」。10分でエクササイズを設計。
依頼者の目的は、「受講者が感情を豊かに表現するようになってほしい」と想定するよう指示があった。
私は勝手に、対象者を会社員とし、「お客様の感情を想像するために、自分たちの感情表現ができるように体験してほしい」というふうにしてみた。誰にも言ってないが。

次のように設計してみた。 

  • 感情を思い出す → 感情をお題に、アクションをそれぞれ想像してもらう。悲しみ→下を向く、など。感情とアクションを紐づける練習。
  • 感情を身体で表現する → 感情つきウォーキング
  • 台本を覚える練習 → 桃太郎プロットの伝言ゲーム。登場人物の感情を想像するディスカッション その感情ならこういう言葉・行動があるはずという想像を膨らませる
  • 演じる練習 → ショートシーン1分。アクティビティから始まる。しゃべりたかったらしゃべっていいし、しゃべりたくなければしゃべらなくていい。
     → そのままエモーショナルリプレイに移行
     →ここから3人以上のエモーショナルリプレイに行ってもいいかも

これでやってみると、受講者たちから次のようなフィードバックがあった。

  • 最終的になにをやるか想像もつかない。何かに向かっている感覚はなかった。
  • おもしろいなーみたいなのはあった。気持ちと動きの関連はあるな、と感じた。
  • 初心者という目線で見ると、入りやすい。とっつきやすい。

なるほどなあ。
次に、フィードバックを受けた状態で、ペアになって感想シェア。
言語化による学習って、あるなあ。

フィードバック

自分が何を感じたのかを言語化して把握することが重要、という話だった。この日もそれを体験しているので、そりゃそうだよな、、、と思った。
何についてフィードバックするのかを指定すると、フィードバックがしやすくなる。

講師としての立場だと、いっぱいエクササイズしたくなるが、ファシリテーターとしての立場だとエクササイズそのものよりも、どういうフィードバックをしたかが重要となる。フィードバックの時間を確保せよ、と。

ぜんぜん別のワークショップで、フィードバックの時間こそが最高、ということで、エクササイズ30分でフィードバック2時間、みたいな人のやつを受けたことがある。
割合はひとそれぞれだと思うが、フィードバックの時間は意識的に長めに取りたいなと思った。

アシスタント

アシスタントとファシリテーターはまったく別の仕事。
ファシリテーターの下位概念としてアシスタントがあるわけではない。

アシスタントは、場が回るように配慮する人。
参加者を孤立させない、ルールがわからない人を補助するなど。
全体の進行はファシリテーターが行う。

アシスタントの役割として具体化すると、

  • ハードルを下げる。(シンプルにやる。すごくうまい、ということは求められない)
  • あこがれを作る。 という対極の2つがある。

初心者が多いところではハードルを下げる方向に。経験者・俳優が多いところでは、インプロの可能性を見せるような模範演技をしてほしいことがある。
アシスタント側からすると、なぜアシスタントが呼ばれているのか? を把握してから臨む必要がある。

その他の住吉さんが気をつけていること。

  • ファシリテーターとアシスタントの性別を分ける。同性にしか相談できないこととかがあるかもしれない。
  • アシスタントは、ファシリテーター以上に教えない。受講者の課題や対策方法が分かったとしても。成長段階をファシリテーターが設計しているため。

ここで、アシスタントの言葉としてらいふが登壇。

  • ファシリテーターがやりたいことを聞いておく。
  • ファシリテーターの主義主張を把握してから動く。余計なことはしないし、助ける時は助ける。 逆にファシリテーターからすると、アシスタントに求めることを伝えておかないとアシスタントは何していいかわからない。

実践

テーマに従いワークショップメニューを組み切った後に、頭の7分間をやり、フィードバックをもらうという仕組み。
テーマは3つ与えられる。

  • テーマA:会社の同じ部署でミーティングをする。ミーティングの前に仲良くなりたいから、1時間のワークをやってほしい。
  • テーマB:不登校で学校に行ってない子供のためのスクール。将来役者になりたい、という人のために演技体験をさせたい。2時間×五回連続で、最後は発表。その一回目。
  • テーマC:商店街のおじさん・おばさんたちが、秋のお祭りでインプロショーをやりたいが、そのための稽古をしたい。稽古は2時間。七回。その一回目。

私はテーマAが割り当てられた。
まずはヒアリングから。
住吉さんを依頼者(社長)と見立ててヒアリングする。
聞いてみると、以下のような情報が出てきた。

  • ミーティングで発言が出なくてシーンとする。意見ありますか? というとシーンとしちゃう。活発に議論してほしい。意見を気軽に言えるように。
  • ミーティング参加者は10人。3つぐらいの世代がある。
    • 最初から会社にいる古参メンバ。全員男性。
    • 中堅、2から3年前、女性2名含む
    • 新入社員 女性2名含む
  • ミーティングでは古参メンバーばっかりしゃべってる。
  • 新人は、社長と1対1だと話してくれる。アイデアが特別いいわけではないが、とにかく会議で話してほしいと思っている。

ここから、目的と達成する状態を定義した。

  • 目的:発言するモチベーションを上げる
  • 目的達成のための補助到達点:上の世代が下の言うことを聞きたい状態にする。会社組織では、古参側のマインドや行動を変えない限り、なかなか新人側からは変化させづらいだろう、と思った。古参メンバに、新人の話を聞く快感を持ってもらいたい。

そして、メイン設計。
メインは「そこ詳しく!(ストーリーだけでなく、人の状態も見て)」「ありがとう」ゲームと設定。
エクステンド(そこ詳しく!)とアドバンス(ありがとう)を、パーソナルな話題で行うというゲーム。
古参が新人に質問するという快感を与えておきたい。新人には古参に興味を持ってもらえているという印象を与えておきたい。

これに到達するためのアップ・エクササイズ設計。設計内容は誰にも言ってないが、せっかく設計したので残しておく。

  • 2択ゲーム 7分
    • お互いの興味を刺激する
  • 共通点探しゲーム + 非言語。例示1分、エクササイズそれぞれ1分、シェアタイム3分。これを2セットで合計9分。
    • 互いを観察する、ということに慣れてもらう。質問する前提となる「興味」を刺激する。例をファシリテーターとアシスタントで行う。
  • パーソナルストーリー9BOX。例示2分、作成2分、ペアでシェア3分。合計7分。
    • A4の紙を9エリアに分け、単語を書いてもらう。単語は、自分の興味・関心があること。例をファシリテーターとアシスタントで行う。
  • 9BOXを使ったメイン。10人それぞれ実施。例示1分、それぞれ2分。合計21分。
    • さきほどとペアを変える。できれば古参と新人のペアになるように。
    • 自分語りをいきなり長々とはやれない、ということで、紙に助けてもらってやる。
  • メインを、全員一斉に。3分をペア両方なので、合計6分。
  • ペアで感想シェア4分
  • 全体共有6分

合計1時間だが、詰め込みすぎな感じが、、、どっかで破綻しそう。パーソナルストーリー9BOXは、あらかじめ書いておいてもらうか、、、? でも考えられても困るし、、、

ともかく、これで最初の7分なので、結果的に2択ゲームを実践することとなった。

やってみた後の受講者からのフィードバック。

  • 盛り上がってる側をみると、疎外感を感じる。
  • いつ2択のために動いていいかわからない。
  • 上司と同じ方を選ばなかったことに罪悪感を感じる。

講師住吉さんからのフィードバック。

  • 自信がなさそう。ファシリテーターのステータスが低すぎる。
  • アシスタントと出来レースのようなものを見せない。気を使われていると感じてしまう。
  • 2択を2つ提示したが、質問の内容が同質。よりパーソナルな、想像力を働かせるようなものをするとよい。
    • 例:100万円もらったら、ごはんか旅行か。生まれ変わるなら男性・女性どっちがいいか。
  • ずっと腕組みしてる

ここで住吉さんが同じ内容でやってみた。

  • 動機付けが端的でわかりやすい(意見を言いたいときに言えるように、まずは自分の気持ちを知りましょう、など)
  • 自信を持たせる(正解はないので、自信をもって移動してもらってOKです!、など)
  • やったら端的にポジティブなフィードバックをして次に移る(決断力ある感じになりましたね、など)
  • 場を支配してる感がある(明らかにステータス高い)
    など、自分のやったものに対しての改善例をすぐさま見せられるというのは、自信喪失すると同時に、大きな教育効果だった。

ここで別用のため、他の人のメニューを受けることなく帰ってしまうのがもったいなかったが、ともかく他では得られない教育効果を受けた。

記事を書いてみて

これで全講座が終わった。
インプロを体系的に座学として教えつつ、すぐさま体験させるというコンテンツは、他に知らない。
全六回、一括で払えば6万円。
会社での研修や、いろんな研修機関がやっているものと比較して、6万円でこのコンテンツというのは格安だと思う。
ここで学んだことのメモは、私は必ず後で使う。(そのために記事にしているというのもある)

写真は、自分の至らなさと向き合う中野の図(ではないが、そう見えるので採用)。

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