受講しました:パティワークショップ第二期一回目

Oct 26, 2020

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受講してきました。オーストラリアの俳優・監督・劇作家・教師・インプロバイザーであるパティ・スタイルズ(Patti Stiles)のWS。

→Patti Stiles .com

超たのしかった。そして、非常に品質の高い同時通訳者が伴走してくれたので、英語と日本語の両方で二重に意味を自分にしみこませることができたと思う。

マンションの1室で大声を出したので近所迷惑じゃないかしら、、、とは心配になるが、まあ、隣人との関係も悪くないので大丈夫だろう。

受講動機

最近、演技の訓練をまったくやってなかったので焦って勢いでエントリーした感じ。

パーソナルトレーニングと同じような動機もある。また舞台に立つつもりだが、公演期間で演技の訓練をしていると間に合わない。

→体験談:パーソナルトレーニング

メニューと振り返り

導入

オーストラリアの先住民に対しての敬意を表すところから始まった。なぜこれをやったのかはおいおい明らかになるだろう。ともかく敬意を表していた。

敬意を表す、っていうのは自分にとって苦手な気がする。自分は相手より優れているか、劣っているか、それによってどうふるまうか、という頭になりがちで、それが自分で嫌である。敬意を言葉にして示してしまうのは、自分を変容させる意味でもいいかもしれない。空虚な言葉は悲しいが、言葉によって自分を変容させていけるのなら利用すべきだと思う。

ウォームアップ

フォロー・ザ・フォロワーのようなものをやった。ただ、ZOOMで見える画面において、相手と「逆」をやれということだった。

右なら左に。上なら下に。小さいなら大きく、怒れば笑う。

リーダーとフォロワーの交換機会を見失ってしまったのでずっとリーダーをやっていたが、ずっと続けるとさすがにネタ切れになるな。ネタ切れという時点でSpontaniousではないが、、、

ともかく、身体性・感情をリード・フォローするということで、身体と感情のウォームアップになった。

One Word

ワンワードであるが、身体と感情も共演者と共有せよ、ということだった。身体オファーが想像力を刺激する、と。インプロバイザーが陥りがちなのが、言葉先行。それも悪くないが、身体も感情も情報を持っているため、そのWhole Offerに影響されよ、とのことだった。

やってみて思ったのは、身体・感情に集中することによって、ロジック思考から逃れられたこと。自己検閲がかかりにくく、Unexpectedなものが出てきて新しい世界に、エキサイティングに行けたなと思う。

It’s Tuesday

2人のプレイヤーでイッツチューズデーなのだが、劇的変化を起こした人の正当化がある程度終わったら、もう一人のプレイヤーは正当化した人のセリフのラストあたりの言葉に影響されてイッツチューズデーをやる、という流れ。

ここでも、「正当化は後で」という注意が。Justify before we jump しがちだが、それがSupriseをRemoveしてしまう、と。EmotionはIntellectualな状態を緩めてくれると。実社会では、Emotionをなるべく出さず、Compose(おとなしくする、という意味かな)しなければならない。さもなければInsaneに見える、と。

Insaneという言葉は大好きだ。

これが一番楽しかったかな。自分の中ではSpontaniousな状態にだいぶ近づいたと思う。意味不明なラップができあがった。

Emotional Roller Coaster

まずは30秒で、感情をリストアップ。喜怒哀楽、驚き、嫉妬、優越感、恨み、、、

2人でシーンを行い、1人が見ている。見ている1人が野球の「タイム」(バスケだとテクニカルファウル)の仕草をしてシーンを止め、プレイヤーの1人に感情を指定する。そのプレイヤーは指定された感情を爆発させる。その感情になった理由は後で正当化する、という。ここでのポイントは、まずはその感情の音を出す、ということ。怒りなら「ウォォォ」、悲しみなら「ウェェェ」、など。Emotional noise/sound launch you、と言っていたように思う。マスクのワークでも声に影響されて感情が揺れ、関係性が変化していったという経験があるが、それに近いものなのかもしれない。

これも社会的なMaskにより、Jumpを避けがちな我々に対して刺激を与えるものだ。「悲しみ」という感情で「ウェェェ」だけではなく、「ウォォォ」や「キェェェ」もあり得るし、「キェェェ」を使うことで新しい悲しみを表現できるかもしれない。キース・ジョンストンも稽古で使うことによって、思ってもみなかった方向を発見できたらしい(おそらく脚本芝居の稽古で使ったんだろう)。さらに俳優訓練だけでなく、演出や脚本にも応用できる技術である、ということだった。インプロバイザーは言葉のやりとり(arguing)をしがちだが、感情を出してから考えることによって「into the unknown」ができる。(ミュートにして歌ってた)

Ding

名前がわからないので、勝手にDingと呼ぶ。

2人のプレイヤーで退屈なシーン(Boring Scene)をやって、外から「Ding!」と声を入れるといずれかのプレイヤーが劇的な変化を起こす、というルール。

劇的な変化をした理由は後から正当化すればよくて、とにかく変化が起きればいい。「Change first, justify later」と言っていた。また、たとえセリフの途中であっても、「Ding」が聞こえたら即座に変化せよ、ということだった。

やってみると、意外と変化に時間がかかった。

おそらくは感情の指定がないため、どういう方向に「劇的な変化」を起こせばいいかという思考が一瞬入った。これはシーンをやっているときと状況が似ているので、より実践的なエクササイズだと思った。ひらめきに従ってジャンプすればいいんだが、どうすればいいのか、という思考が入る。

この瞬発力は観客に「なんか変化したぞ。どういうことだ」と興味(Curiosity)を与えることになる。また、思考・言語のロジックではPlatformとMomentからStoryを発展しきれずにSidetrackしてしまうことがあるが、一気にSpontanityにあふれた展開を期待できる。NothingがSomethingに、NormalがExtraordinaryになる。また、Tiltにも有効であるし、いきなり感情を変えることでむしろ「今、ここ」にあるものに集中することができる、と解釈した。

受講してみて

「見る前に飛べ」とダンスの先輩が言っていたが、それだなと思った。実際にそれが人生として選択できるかと言われるとそんな機会ばかりでもなかったが、そうありたいと思うし、そうあったおかげでいい目を見たことも何度もある(ひどい目にあったことも何度もあるが)。

相手をよく見れてないなあ、と思えるぐらいには相手を見ていたなと思う。だいたい、自分のことばかり気になるし、今日もそうだったが、相手を見てみたい・相手に集中するということがいつもよりはできていた。

関係ないかもしれないが、子供を育てていて思うのは、4歳ですでに「評価」を気にした行動選択ができる、というかしてしまうのだと思った。親は自分なので、自分がそう教育してしまったのも十分にあるだろう。お菓子をどれだけ食べていいか、寝るのはつまらないのでどれだけ引き延ばしていいか、などを親のロジックの範囲内でなんとか達成しようとする。たいへんSmartで助かるのだが、それは管理側(親側)からして助かるのであって、本人からしたら制限以外の何物でもないよなあ、と。そこで0歳児も同時に育てているわけだが、0歳児は何もロジックがない。楽しけりゃ楽しいし、泣きたけりゃ泣く。それだけだ。4歳から自分を守るロジックを身に着けていると仮定すると、私が自分を解放する方向に進み始めた30歳ぐらいまでに、26年間、縛りを増やしてきたわけだ。縛りを取り去るに同様の期間がかかるとすると、56歳で4歳に戻れる計算になる。時間かかるな! まあ、56歳まで飛躍的に芝居がうまくなりつづけるんだと思うことにしよう。


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