演劇資料室(神奈川県立青少年センター内)の現状
Feb 29, 2020
5月に横浜の劇団「虹の素」の10周年公演「夜明け」に出演する。そのための顔合わせが2月1日にあり、そこで演出の熊手さんから神奈川県の演劇資料室の話を聞いた。先人が築いてきた大いなる資産があるが、運営に課題が発生しているということだった。
演劇に長く携わってきたし、演劇に人生を救われたようなものなので、演劇資料室の運営に課題があるのならなんとかしたいなあ、と思っていた。
そして実際、2月27日に演劇資料室を見てみた。演劇に関する膨大な書籍があった→蔵書目録 。
これがなくなるのかもしれない、と思って悲しくなってTwitterでつぶやいてみた。
神奈川県青少年センターにある演劇資料室の運営が危機に瀕しているそう。運営のための人員確保が大きな課題となっているそうだ。
— 中野直重/ヤーゼ (@ya_ze_) February 27, 2020
人員確保のための収益化など、何かできないかと考えている。
そうすると多くのリツイート&いいねをいただき、知らない方複数人から「なにかできることがあれば協力したい」という申し出をいただいた。
演劇資料室のことをどうにかしたい、と歯がゆい思いをしている人がたくさんいるのだ、と感じ、自分ができることを考えた。
演劇資料室の、現時点の課題について、人づてには情報は得られるが、課題を文書にまとめられたものは見つけられなかった。まずはそこから作って現状認識を多くの人と共有すべきと考えたので、2月29日に実際にインタビューを行った。
(カメラのレンズの問題で、なぜか私にモザイクがかかってしまった)
インタビューしてみて感じたのは、「動きづらい」だった。
これは文章で書くとけっこう大変ですが、整理してみようと思う。
インタビューした内容は一部、既出のサイトの情報と重複するところもあります。
→しばいのまち:戯曲を探すなら神奈川県立青少年センター「演劇資料室」へ行こう!
まずはインタビューにおいて、聞いたことを列挙する。
- もともと横浜演劇研究所が母体。
- 演劇関連の蔵書は12000冊以上。国内で3本の指に入るそうだ。
- しかも「貸出」まで行っているのは唯一だそう。
- 月曜以外、9時〜22時まで開いている。
- 17時から22時は、有償スタッフが管理
- 9時から17時はボランティアスタッフが管理
ということをふまえ、ここからはボランティアスタッフについて書いていきます。
ボランティアスタッフのメインは、荒井さん(上記「しばいのまち」でインタビューにこたえていた人)とヤマゲンさんというお二人。
ほぼ毎日、不定期のボランティアスタッフが回していた。
聞いた印象だと、このおふたりに頼り切っている、と感じた。
そして、2020年1月2日、荒井さんが亡くなったそうだ。
さらに、ヤマゲンさんも高齢ということだ。
いまは、有志によってなんとか運営できているが、日中のボランティアスタッフの確保が急務となっている。
しかし、条件としては厳しい。
- 平日の昼間に資料室に滞在できる
- ボランティアなので無給を許容できる(交通費も出ないそう)
- 演劇の知識があり、学生などの相談に乗れる
- 貴重な図書もあるので、演劇資料の取り扱いに細心の注意を払える(演劇図書に対して強い愛がある、と言い換えてもいいかもしれない)
- 図書の管理業務ができる(貸出・返却の手続きなど。あまり複雑なものはないそうだ)
条件1と2だけで、かなり条件が絞られてしまうのだが、かつ3と4が入ってくると、本当に「そんな最高の人材ってどこかにいるのか!?」みたいな気持ちになる。
そもそもボランティアで運営するのに無理があるのでは、、、とも思うが、そのあたりも考え尽くされているようだ。
(なお、演劇資料室のスタッフとして入ることのメリットについては、筆頭として膨大な演劇資料に常に触れられる環境が手に入る、ということがあります)
有償にすると、財源が必要となるが、行政からのバックアップはいまのところなし。じゃあクラウドファンディングだ、という手もあるが一過性であり、今後の運営に不安があることに変わりはない。
有償だろうが何だろうが、運営が回るサイクルを作らねばならないという状況ではあるそうだ。そして、趣旨に鑑み、行政からのバックアップをもらえるように活動しつづけるそうだ。ただ、直近の運営はなんとかできているものの、いつ運営がストップするかわからないという綱渡り状態は回避したい。
ということで、まとめると以下2点を解決したいということだった。
- 直近、ボランティアで入れる人(上記5条件を満たす人)を募る
- 並行して、行政のバックアップを得る活動を続ける
中野がすぐボランティアで入れるかというとそういうわけでもなく、まずは現状整理を文章にする、というところまで行いました。
本記事をご覧の方には、次のことをお願いしたく思います。
- ボランティアスタッフとして入れる方はぜひ中野または演劇資料室にご連絡ください
- 入れそうな方をご存知の方には、ぜひ紹介をお願いします
上記2点いずれにも該当しないが応援したいという気持ちがありましたら、SNSなどで本記事の拡散、または応援メッセージ等をお願いします
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