振り返り:荻窪インプロパーク

Aug 31, 2019

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8月12日に出演した、荻窪インプロパーク。
当日、疲労困憊してろくな振り返りができないまま、引っ越し・生活立ち上げ・出張と忙殺されてしまった。 しかし、とてもうれしいことがあったので、書き留めておかねばと思った。
日々、つらいことはたくさんある。大半の時間を、けなすのが当然で、けなされないように攻撃・防衛し続けないといけないという価値観に支配されているように思う。
なので、うれしいことは積極的に書き留める。

それは、お客様から 「すばらしかった。あなたのやった即興は、俳優としての訓練を受けたものでないと、やってはいけないものだと思う」 と言われたこと。
やっていい、よくないという議論にするとそれはそれで問題だが、ここで注目したいのは中野は俳優としての訓練を受けただけの身体・表現能力をもっていると認識してもらえたこと。

扱ったテーマは、センシティブなものだった。
インプロパークからのメルマガには、このようにまとめられていた。

~タイトルは『時のないホテル』(fromユーミン)~
~さびれたホテル(オーナー・ヤーゼ)、8月15日、予約した女(くろめぐ)、流れ着いた料理人(さとし)、315号室の客(すぅさん)、ホテルの場所は広島の郊外、物語は時空を超え、現代と昭和20年を行き来して・・・~

昭和20年、広島郊外のホテルのオーナー役をやった。物語中盤でその設定が完成したように思う。
センシティブなテーマにならざるをえない。
しかしお客様からも 「全力でやってくれたからこのテーマでも見られた。中途半端だと見ていられないと思う」 というお言葉をもらった。

「迫真の演技でしたね」 とも言われた。
おそらく、その表現は言い過ぎではないと思う。
それだけの全力が出せた。

これは共演者や観客の温かさがあったからこそできたことだと思う。
特に、荻窪インプロパークの皆様(Wさとし&くろめぐ)は頼れる大人であり、私がどれだけ冒険しようとも必ず応援してくれるという見込みがあったからこそ、全力が出せた。

2回の事前稽古、当日の直前稽古、本番を通して、ぜったいにパニックにならない。
しかし自分の殻に閉じこもって情報を遮断しているわけでもなく、オープンなやりとりができる。
だからこそこれだけ、自分を爆発させる機会をもらえた。
今度は、他人を爆発させられる場を作っていきたいと思う。
もちろん、また爆発してみたい。

反省点としては、爆発しすぎて、危険な演技をしたこと。
けっこうな全力ビンタをさとしにやってしまった。あとで許してくれたが、同意もなしにやるべきではなかった。
さらに、原爆投下の瞬間の演技で叫びすぎた。うるさい、うるさくないという話もあるが、そのまま失神状態になり、舞台上で倒れてしまった。共演者のおかげでそのままシーンは続行されたが、もはや舞台上で何が起こっているかもわからず、ただ倒れているだけとなった。
これは役者としては相当マズいこと。共演者のおかげで助かったが(逆に、共演者の能力があったからこそできたという側面もあるが)。
身体の弱さ、自己顕示欲、そのあたりのバランスを考えていかないといけないと思った。

ともかく、全力は出せた。
いい芝居ができたし、いい芸術ができたと思う。
感謝。

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