千葉工業大学で連続講義を担当しました
Dec 17, 2024
千葉工業大学 情報変革科学部 認知情報科学科の専門特別講義のうち、3回分を担当しました。
大学1年生。100名以上。
縁あって、担当の先生と知り合い、機会をいただきました。
テーマは多様性。「チームで仕事をするとはどういうことか」を主眼に置き、「チームは仲良い方がいいけど仲良くなるってどういうことか。仲良くなるのは大変でしょう」という議論を起こすことに留意しました。
やったことはいくつかのシアターゲームとグループディスカッション。
シアターゲームやったこともない人たち、かつ、やるとも聞いてない人たち。つまり、シアターゲームやりたいと思っていない人たちが大半であろう100名以上を相手に実施するのは、なかなか大変でした。
シアターゲームと、コミュニティマネジメントの活動と、その他これまで勉強してきたことを注ぎ込みました。
グランドルールというか、お願いは全授業に共通して三つ。楽しむ力を意図的に持って欲しい、お互いに敬意を持つ、辛いなと思ったらやらなくていい。
この「辛いなと思ったらやらなくていい」は、多くの人にとって衝撃的だったようです。「そんな授業があるか」という反応もありました。驚きとポジティブな勢いを感じました。
第1回
まずはまったく信頼関係ができていないところからのスタート。
別の大学の授業で、「みんな立ちましょう」「移動しましょう」「ペアを作ってください」と言ってもなかなか反応してもらえない経験があったので、今回もそうかもしれないと思いつつ、とりあえずやってみました。私の持っていき方にも無理があったと思うのですが、やはり反応しづらそうにしていました。分かっていたことだったのでそこまでショックを受けず、なるべくハードルを下げるように注力しました。私を信用してもらうには私をどこまで開示できるかが重要だと思って、自己憐憫にならないように辛い過去や恥ずかしい過去も言うようにしました。
多少、効果はあったように思いますが、「あなたが誰かはさほど重要ではない。ただ知見を教えてもらえるだけでいい」という意見もあったので、これからの反省にしたく思います。
前半はシアターゲーム、後半はグループディスカッションという構成。
シアターゲームには言語を使うものは入れませんでした。「何を言おう」と固まってしまうのを避けるためです。
初日は「自分の頭の中は他の誰にもわからない」という体験をメインワークに持ってきました。写真を言葉で説明して書き取るというもので、シアターゲームかというと違うと思うのですが、やった方がいいだろうと思って組み入れました。効果はあったと思いますし、なかなか集中してやってもらえたのかなと思います。
しかし、途中休憩が終わったら4割が退室してしまっていたのはショックでした・・・興味深い瞬間を提供し続けられなかったんだなあ、と反省しました。
終わったらもう、燃え尽きたように帰宅しました。
第2回
メインワークは哲学対話。ここでも「聞いてるだけでもいい(無理に発言しなくてもいい)」というルールが珍しかったようです。
外側からストレッチゾーンへ促すことがあってもいいと思うし、それで今までだいぶ助けられてきたような気がするけど、この授業で「納得のいかない外からの力」は見たくなかった。まあ、「納得感の高い外からの力」を生み出す強固な自信が私になかったとも言えます。
哲学対話のテーマが抽象的すぎて議論が活性化しないこともあったので、少し具体性を足してみたりして調整しました。おおむね、私が見たかった空気感「議論は進んでいて、かつ、無理がなさそう」があったかなと思います。
もちろん、すべての人が楽に楽しく参加できたかというとそうでもないと思いますが、前回よりも良い講義になったかなと思います。
中盤で、有志を募ってちょっと負荷の高いワークをしてみたのですが、観客の立場である大多数の人からワークに対する集中力とポジティブな笑いを感じたので、興味を持ってもらえたのは良かったかなと思いました。
タケノコニョッキはあまりウケなかった(というか知ってる人の方が少なかった)ので、ジェネレーションギャップというやつですか・・・と思いました。
この日は午後から勤務でした。燃え尽きかけてはいましたが、燃え残りを集めてなんとか勤務しました。
第3回
最終日となる3回目。
テスト期間でみんな忙しかったり、追い討ちをかけるようにインフルエンザ流行で、MAXの半数ぐらいしか受講参加者がいなかったです。さらに、みんなテスト勉強にかなり忙しそうで、授業が始まる直前まで別の科目の試験勉強をしてたり。そんな中で受講参加してくれたのがとてもうれしかったです。
この日のメインワークは集団創作。一人一筆で絵を描いてもらいました。いくつも。それを集めて一つずつ題名をつけていくという。みんなかなり積極的に絵を描いてもらったので、いい創作の時間だったかなと思います。
きっかけとして良かったことがあります。私の説明中にアシスタントの数人が例題となる絵に夢中になっていて、私の話を聞いてくれなかったのが非常に良かった。「聞いてくれよ」と私が突っ込むことで受講参加者も含めた全員の立場が同列になったように感じました。
序盤、前回のアンケートにあった質問に回答していく形で講義の時間をとりました。興味を持ってもらえたところも、そうでないところもあったなという手応えでした。
また、前回のアンケートで「班分けは講師で指定して欲しい(受講参加者に任せないでほしい)」という意見もありましたので、前回よりは強制力をもって、班分けをしました。「強制的に班分けします」と宣言したので、その時点で辞退する人が増えるかなと思いましたが、大半の人に参加してもらえました。そこに、受講参加者の、ギリギリの意志の力も感じたので、うれしかったです。
講義として、集団創作技法やティール組織について少し触れたのですが、興味深そうに聞いてもらえたように感じました。「おもしろいことをもっと知りたい」という欲求を感じました。
おわりに
いつもそうですが、「受講参加者に助けられた」という感覚があります。今回は担当教授やアシスタントの方々にも大いに助けていただきました。私が持つ知識・経験を総動員して講義ができました。
興味ない人もいたと思います。
アンケートに「ひとつも楽しくなかった」「進行に問題があった」などの反応もいくつかありました。思い悩みました。
一方で、「こんな授業を受けたかった」「毎回、楽しかった」「知らない人、知ってたけど繋がりがなかった人と話せてうれしかった」「自分の考えを受け入れられる体験ができた」など、苦労も吹き飛ぶ感想もいただきました。
科目担当の教授からも、来年も検討したいということを言っていただき、まずは良かったのかなと思っています。
一方で、まだやれる、もっとおもしろくやれるという余地も大いにあると感じています。
ぜひ来年もやりたい! ご連絡、お待ちしております!
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