終演しました:FIVECRANEGAME7周年記念公演
Sep 29, 2024
ちょっと前になりますが、 FIVECRANEGAME 7周年記念公演、終わりました。もう1か月ぐらい経ってしまった。謎の体調不良や謎の飛び込み作業で右往左往しておりました。
いったん振り返ったのですが、もうちょっと細かく振り返りたいなと。
私はここ10年ぐらい、自分が主宰となって演劇公演をやれてません(演劇教育イベントなどはやってますが)。劇団を2015年ぐらいまで主宰ポジションで運営していて、その時の面白さも大変さも覚えています。その後、他の人が主宰をやっているところで多数活動して、やっぱり主宰をするというのはすごく大切なことなんだなあと思っています。
私にとって関西で公演する意味はすごく大きいのですが、自分でその機会を作れていない。これまで3回、即興演劇を関西で上演しましたが、すべて、他団体に乗っかった形。本当にありがたい機会をいただきました。
中学高校、大学やバイト先の知人、関東で会って関西在住の方に見に来ていただきました。
すごく印象に残っている大学時代の同期の感想で「中野くんは今も青春してるんやね」というのがありました。
やりたかったのは、まさにそこだなと。青春を、演劇を終わらせたくなかった。楽しいことをあきらめて大変な生活をするのが当たり前、みたいな風潮も、今となっては理解できるものですが、当時は演劇を辞めてしまったら社会的に生きていけなくなる、という恐怖感がすごくありました。今でもあります。演劇をやらなくなったらどうなるか。案外、楽しく過ごせるかもしれませんが。
ともかく、今も演劇をやれていることをありがたく思います。そして、関西で公演できる幸せも噛みしめております。
ステージごとに、自分中心ですがふりかえってみます。忘れてることも多々ありますが・・・だからすぐ振り返りしないといけないんですよね・・・
第1ステージ 9/28 12時
ショートをいくつかと、ロングフォーム2本という形式。いずれも、効果的に働いていたと思う。すべてのステージに通じることですが、チームが良かった。自分の持ち味を発揮すること、躊躇して発揮できないこと、どの現場もどちらもあると思うけど、前者が優勢だったと感じている。お互いの声掛けの仕方、人間力、この公演にかける気合、それらの総合的なものが遊べるベースを作ったのではないかと思っている。
1本目のピクチャーズは、教会。寺の息子である私が神父をめざしたというストーリーができあがった。ストーリーを作ったというかストーリーが浮かび上がった感じがしたので、フォーマットとのバランスもすごく良かったんじゃないかと思っている。
ショートシーンでもそれぞれの良さが見せられていてよかった。私は英語が得意と言っておきながらサッパリでしたが。それが良かったと思うことにする。
2本目の記者会見では、父親役を演じた。父親として子どもに過大な期待をかけてしまうこと、でも、結局は子どもの幸せを尊重すること、でもそこに親が何かできるわけでもない、そういう人間を描けたと思う。反省点になるか分からないが、子どもに過大な期待をかけることを貫くべきだったかもしれない。でも、たぶん、主人公の味方になって、もっとも重要なテーマである「大切な人を、たとえ何か間違っても、また大切にできるか」に持って行けたのは良かったと思う。強引だったけど、アシストができたような感覚がある。それも、共演者がみんな頼りになったから。
第2ステージ 9/28 15時30分
オープンステージ!
ちゅうさん、荒川くん、私の弟も来てくれた。 荒川くんの演技を弟が実況しているという、自分の歴史が交差する瞬間がたのしかった。
荒川くんの天才っぷりがふんだんに発揮されたなあ・・・時事ネタまで持ってくるし。
天使と悪魔で、ちゅうさんの揺らしがすごく良かった。
バシバシ出られてよかった。ルールを超えて遊べた感もあって、インプロしてるなあと思いました。
第3ステージ 9/28 18時30分
自己紹介ドミノでは助けられつつも自由にやれた。サウナのシーン、夫婦のシーン。もっと強烈に興味深い情報を入れられたらなあと思う。そういう訓練をせんとなあと思いますが、自由にやれました。
ペーパーズ。「たこ焼き」からスタート。 「アイドル」でまったく思いついてない自分が良かったなと思う。楽しく迷走できて、最後はピエールさんの一言に救われた。
解決社長。天丸さんの対応力に救われたような、解決しないような・・・。ただ、干しシイタケのやつは、たしかに、営業努力が足りんかったわ・・・
ポケベルの歌。ルールを分かっていない私を、ちゃんとオープンに表現できていたのがよかったように思う。
第4ステージ 9/29 12時
照明オペレーター担当。
オペレーションに全集中してたので内容を細かく覚えていないけど、すごくいい芝居を観た、という感想はあるし、プレイヤーからは私がオペレーター席でどえらく頷いていたのが見えていたらしく、いい芝居を観たんだなあと思います。動きがうるさいオペレーターでスイマセン・・・
第5ステージ 9/28 18時30分
千秋楽。
自己紹介で本当によくない私の気質が暴露されてしまい、というか自分で暴露してしまい、ひと笑い取れたのでよかったです。
パンダの話は、飼育員やれてたのしかった。ほんと、あがぺるがいつもと違うテイストだった。きゅうちゃんもいっしょに交流できたのが楽しかった。落ち着いてコミュニケーションが取れたペーパーズだった。「大好き」を引いたときにもっと影響されたらよかったかなー。
不思議な椅子。椅子に座ると性格が変わるやつ、召使としてのアクティビティできた(かぼちゃのくり抜き)のは楽しかった。さすがのじろちゃん、そして、ルールに則って入ってきたりょーちんに乗っかれた。楽しくやれたなあ。椅子のルールにもっとこだわれたらよかったかな。
スイッチ。きゅうちゃんとの不思議なレストランは一歩ずつ積み上げられてよかった。太郎左衛門の破壊力がすごかった。そこを後のシーンで突っ込めてよかった。そしてじろちゃんと出番がかぶった。この後、もう1回かぶるので、出たいタイミングが似てるのかもしれない。うれしい。合体ロボにもなれた。こういうの楽しい。
落ち着いたシーン。出禁をくらったのが楽しかった。そこでも浅ましく出番をねらい、ダメだと言われる自分がいいなと思った。下着の意見を求められて、素直に言ったにもかかわらず引かれる天丸さんがよかった。じろちゃんと出番がかぶり、じろちゃんがワンボイスに巻き込んでくれてマジで楽しかった。天丸さんの「頭の中の妖精たち」とラベリングしてくれたのも本当にありがたかったし、りょーちんが「ハケていいよ」とタグアウトしてくれたのが助かった。
オムライスの歌。私はオムライスを作れたことが無い。毎回失敗する。それを歌にできたのはよかった。照明オペレーターをやったからより強く感じるが、ここの照明は手作業でリズムを取ってくれてたんだなあ、、、
パワフルコーヒー屋の自分の立ち居振る舞いは雑やったなあ笑 すいませんでした。
最後のシーン。ペーパー「サルバドールダリ」から始まる。天丸さん、まさかの「サルバドール・ガリ」と言ってしまう。芸術家のシーンからスタート。くらげのように漂う女、という言葉を拾って入れてよかった。そして、フランスのニースの海辺とか言えたのは良い。行ったことないけど。あすかさんときゅうちゃんが芸術作品をずっと続けてくれたのが一貫性をくれた。
ここからは共演者への感謝を。
共演した方々、しっかり助けていただきました。 ありがとうの一言ではあるのですが、なんとなくまた共演するような気がしていて、覚えていることを記していこうと思います。
椿さんの落ち着き、状況を受け入れる力はすごいなと思いました。初対面でシーンを作っているのに、すごく安心できました。懐が広い人なんだなあと。太郎左衛門のオットセイを回収し、自分もオットセイをやったのは感動。予想を裏切り、期待を超えてくる素晴らしい一手。あと、「改造」。言い間違いだったそうですが、そこにこだわって、さらに面白いシーンを作るという。すごい。
太郎左衛門の爆発力には感動しました。特に養成ギプスを作った博士とギプスをつけられた選手の二役。こんな全力で遊んでいる人いないなと。単純に声も動作も大きいのでパワーがすごい。威圧的になりそうなものだけど、相手に影響を与える問いよりも「こんな面白いものがあるから見てくれ」というエネルギーを感じて、シンプルに楽しめる。あと、妖怪を回収しようと目玉の親父で出たとき、「おまえはそれしかプランニングがないだろ!」と入ってきてくれて助かりました。それしかプランニングがありませんでした。
あすかさんの安定感と、キャラクターのわかりやすさがすごいなと。声の質、振る舞い、アクティビティ、しかも記号的というよりは役が本当に目の前にいるかのような。いやそれが演劇なんですけど、それを一瞬でやられてしまうと感動がすごい。ロングシーンの締めを勝手に振ったにも関わらず、きっちり仕上げていただき感謝しかない。スペイン料理の店も行きたいし、酒が好きとのことなので飲みに行きたいなあ・・・
一明さん、経験の厚みをすごく感じました。ネタで面白いというよりも、遊び心を昇華させた技巧みたいなものを感じました。一明一人さんは一朝一夕では到底手に入れられない技を持ってるんだなあと。昨年はあまり話せませんでしたが、今年はジャムコントの話とか、お客様をどうやって劇場まで呼ぶのかという話をさせてもらって、ありがたかったです。
りょーちんはすごくベテランなのにすごく勉強していて、その姿勢は見習わないといかんなと思いました。いや、すごくベテランだからこそ勉強し続けないと居られないということかもしれない。私もキャリアは長くなってきてるので、危機感を覚えました。りょーちんはウォームアップを任されるなど、信頼されてるなあと思いました。
すぅさん、毎度、こんな大人になりたいなあと思わされます。安定感も遊び心も頼りにしてしまう。「パパの言うことを聞いておけばよかったのに・・・」は超おもしろくて超かっこよかった。遊び心とストーリーテリングがすごく高いレベルで融合したものだと思っています。特に歌のところはもう、すぅさんが居ればうまくいくでしょ、とすごく安心できました。
仲村さん、照明音響チーフかつダブルオペ、本当にお疲れ様でした。すごい。っていうかどうやってたんだ。仕込みの時から仲良くしていただいて、楽しく時間を過ごせました。おかげさまで去年に引き続き、仕込みだけで「満足しちゃったなあ」と言ってしまいました。シーンでは監督が変わってつまらなくなった野球チームをテレビで見ている様の真実味がすごかった。ほんまに球団が好きやったんやなあと思いました。
いおりさん、ほんの1回しかご一緒できませんでしたが、去年もお会いしてて、今年も会えてうれしかったです。頼りがいのある人だなあと今年も思いました。また来年もやりましょう。
きゅうちゃん、朗らか。楽屋でも朗らかさでチームを上げる。楽しいチームなんだと思わせてくれる。また一緒にやりたいと思う。チームに居てほしいと思う。一方、朗らかでいて、ベテラン感も見せつけてくるのがすごい。シーンの切り替えでさりげなく椅子を移動させて「場が切り替わりました」と見せるとか。えー、巧い・・・と思わされる。
ピエールさん、絶対おもしろい。特に覚えているのは鬱陶しい客の役なのですが、なぜか不快にならない。なんだろう。全く同じことを同じトーンでやっても、ピエールさんほど愛される自信はない。「俺が客!」という叫びすらも愛らしい。そして、シーンに対するフィードバックが的確で、もっとオイシイ展開になるとクリアに分かる言葉をくれました。
あがぺる、やはりエネルギー。トーンの高いエネルギーを無尽蔵に放出しているような。色々話を聞いてると、決して体力がすごいというわけではないんだろうと思いました。精神力で肉体を維持しているのか。肉体なんてなくて、精神が受肉したのか。その力で、なんとしてでも貢献しようという姿勢がいいなあと思いました。司会もお見事でした。自分をさらけだして観客を味方につけてたのがすごいなあ。
ふーやん、いい芝居を作りたいという情熱が、まずは印象的でした。ふーやんが、自分の芝居として納得いかないところがあったようで、それを悔やみ、リベンジを誓う姿があったそうで。熱さは、周りに影響を与える。そして舞台に立つ姿、縁取りがキレイというか、立ち方がいいのかもしれない。ふーやんという役者が舞台上にいる、というのがクッキリ見える気がして。たとえば不倫相手の造形、一瞬で伝わる感じがスカッとした。
じろちゃん、登場が被った時のワンボイス、うれしかった。共演がすごく多いわけではないけど、古い時代からの友人。我々にも歴史があるんだなあ、とうれしくなりました。一緒に出てくれたことで、「出るなと言われたからこそちょっと出る」というボケに自信を持てました。太郎左衛門と共に、「暴れる側」認定されたのは誇りに思います。各方面にすいませんでした。
そして天丸さん、全責任を一手に引き受け、プレイヤーとしてもマネージャーとしてもリーダーとしても爆発的に活躍されたと思います。上へ下へ、縦横無尽の大活躍。相当、疲れている様も見ましたが、それでも気合で動き続ける姿には、尊敬しかありません。舞台上ではもっとも頼りになるプレイヤーで、何かやっちゃったときもぜんぶ回収してもらったように思います。逆に天丸さんを遊び漬けにできるほどの実力が欲しいなどとも思いますが、まあそれはいずれということで。今回は本当にお世話になりました。舞台の外でもすべてを統括し、チームを鼓舞し、最高の状態で芝居ができるように動いていただいたなあと思います。コミュニティ運営では団体理念、自己有用感、居心地の良さなどが重要だ、と、とある研究によって示されているわけですが、とくに自己有用感と居心地の良さがすごく優れていたんだなあと思います。団体理念に共感する、というか、天丸さんという存在に惹きつけられているんだなあと思います。
3月、主宰ではありませんが演出・出演というポジションをいただきました。団体のトップではなく、作品のトップとしての機会をいただけます。FIVECRANEGAMEに刺激を受けつつ、私ができることをやりつつ、いい芝居になればいいなと思います。いい芝居になると思います。
みなさまから、大きな刺激をもらいました。私は私のやれることをやります。FIVECRANEGAME、関西での公演、最高のチームと最高のお客様の前でやらせていただき、ありがとうございました。
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