受講しました:パティワークショップ第二期五回目
Nov 23, 2020
5回目受講。パティ・スタイルズ(Patti Stiles)のWS。
全8回コースだから、もう折り返しを過ぎたことになる。 いきなり成長できている感じはしないけど、成長のための土台を作っていっている感覚はある。
メニューと振り返り
導入
いつも通り、身の回りの人、先住民に敬意を表すところから始まる。
今回は、形から人を愛そうと思って、黙祷の格好をしてみた。なんとなくそれっぽい気分になってくるので、形から入るのも馬鹿にしたものではない。
今日はオフラインで行ってきたエクササイズをオンラインでやってみたい。うまくいくかわからないけどチャレンジしたい、ということだった。
アイアムアツリー(3種類)
このエクササイズは”To know what is happening in the scene”ということだった。
合計3回のアイアムアツリーを行った。
1回目:ノーマルバージョン
- 「私は木です」
- 「私は枝です」
- 「私は葉です」
というおなじみの方式。
毎回、楽しいゲームだと思ってやっているし、今回も楽しくやれた。
2回目:想像力を広げる
- 「私は木です」
- 「私は枝です」
- 「私は枝の下にあるドアです」
という、ただ物を追加するだけでなく、Platform of the storyを作るような、CuriosityのTriggerになるようなものを付けるというエクササイズだった。
Normal、Normal、Curiousという順でやりましょう、と。
他にも、
- 「私は幹に書かれたポエムです」
- 「私は“注意”という意味の古代のマークです」
- 「私は涙の雫です」
などの例をもらった。
これをブレイクアウトルームでみんなでやる前に、「失敗してください。提案の前に考え込むよりは、飛び込んで失敗してください」と勇気づけてくれた。
Playfulであれ、と。
やってみて、3つ目のアイデアを出すときに、どうしても長く話してしまうと思った。できるだけ短く、説明しすぎないようにしたい。が、ショーの中で意図が正しく伝わらないことは混乱を起こすことがあるとは思う。しかし、突飛に思えるアイデアをしすぎず、共演者を驚かせて力付けるようなオファーになれば、最もかっこいいなと思う。
「2人目が興味深くしすぎると、3人目のハードルが上がる」という意見があった。それはそうだと私も思った。そこでパティは「3人目で興味深くするよう指示はした。しかし、それをルールだと思わないでほしい」とコメント。やっぱこれだな、と思った。自分もワークショップの提供側になるとき、受講者同士でルールの理解度が異なり、振り返りの時に「あれはルール違反じゃないですか」という指摘が出ることがある。そういう時「確かにルールはそうだったけど、これはこれでおもしろいと思うので、これをやってみませんか」という流れに持っていくことがある。この「ルールだと思わないでほしい」は前置きとして言うのはちょっと予防線を張りすぎかなとも思うが、そういう手もあるなと思った。
また、パティは「アイデアを足していくだけで、アイデアだらけのシーンになることがある」という課題意識を出した上で、「お互いのオファーのpossibilityを考えれば、we can start to pay attention to the possibility circle」と述べた。上記の例にある「ドア」であれば、おとぎ話の方向になるだろう。ポエムにしろ、古代のマークにしろ、特別なことになっていくだろう、と。
3回目:感情や社会的なことを付ける
- 「私は木です」
- 「私は枝です」
- 「私は愛です」または「私はEnvironmentalism(環境保護主義)です」
など。観客が「こういうシーンだったのかな」とReflectするようなもの、という説明だったと思う。
Environmentalismの場合、木を切り倒す計画を立てる当局の担当者の話になるかもしれない。
こういう理解かな、と思って図を書いた。
(冒頭と同じ写真)
Tree、Branchから構成される可能性の輪(黒)があって、その、TreeとBranchからちょっと離れたところにEnvironmentalismがある。Environmentalismによって新しい可能性の輪(赤)が構成され、ストーリーの方向性は赤の矢印のようになるのでは、と。
パティも否定はしなかったし、うんそうだね、という感じだった。
ストーリーの方向性はそうだし、ストーリーの中身は黒の斜線部分のようになるんじゃないかな、というご意見だった。
ThinkingからImpose(Impulse?)に変えていけ、と言っていたように思う。Environmentalismが出てきたら、何か考えるというよりはImpose(課す)という感じになるだろう。
インプロを、スポーツにたとえていた。
たとえばテニス。ラケットを初めて持ったときは、どっちの手でどこを握るのかすらわからず、時間がかかる。しかし熟練していくと、ラケットをどうやって握ったらいいかという疑問を感じることはなくなる。インプロ の技術も、そういうものだ、と。
毎回、振り返り記事を書いて「正解」にたどり着こうとしてる俺なんて奴は、、、とか思ったりもする。やばいな。まったくそんなことはないだろうという勇気づける側の検閲官が言ってくれているわ。だって教わったことをより深めていく作業には違いないだろう。
さて。
また、我々のアイデアというものは、linkを重視してしまう傾向があるとのこと。一週間の予定を立てる、プロジェクトのスケジュールを引く、などは順番・プロセスを重視している。インプロではこれと別の、「可能性の円」を見ることが重要となる。
シーンがつらくなってきたとき、そのつらいシーンをそのまま前に進めていく必要はなく、そこに止まって、その可能性を見るのだ。
What comes next?
「次どうなるの」をやった。
手順
六人一組。
P1:プレイヤー(ビデオON、スピーカービューでカメラ固定)
P2,P3:ディレクター(ビデオON)
P4,P5,P6:観客(ビデオOFF)
- P1はP2,P3に「次どうなるの」と問う
- P2,P3のいずれかが提案する
- P4,P5,P6はその提案が「いいね!」と思ったら「Ding!」と叫び、チャットボックスにDを書き込む。「いいね!」と思はなければ「Nuu」と唸り、チャットボックスにNを書き込む。
- P1は、「D」が過半数であれば提案を採用し、その提案に乗ったシーンをする。そうでなければ再度「次どうなるの」とP2,P3に問う。
やってみてどうだったか
DとNの判定が難しい。難しくはないんだけれど、葛藤する。
Dを出してあげたい、でも気分的に100%Dじゃない。とか。
そういうときはNを出すんだが、本当に微妙なレベルのときがある。なるべくDに倒すような「社会的防衛装置」の発動を感じていたので、意志の力で逆方向のバイアスをかけ、なんとか正直な反応ができたように思う。
ディレクターとして提案するとき、アイアムアツリーでの感覚をすっかり忘れていた。忍翔が「アイアムアツリーのエクササイズが役立った」と意見を言っていて、「アレ? どう役に立ってるんだ?」と一瞬わからなかった。考えてみれば、可能性の円を探っていく頭の働きがディレクションのCuriosityに深く関わるのだが、すっかり忘れていた。せっかく考えられたワークの順番を活かせていなかったのである。こういうところなんだよなあ。バックミラーを見ながら後ろ向きに歩くぐらいのことをしないとなあ、、、
受講してみて
振り返り会にて、CuriousとInterestingの違いについての解釈や、無関係ワード(非連想)の効用について意見交換できた。
- Funny→Interesting→Curiousの順に興味深さが増していくのではないか
- 無関係ワードをやることで、逆説的に人の連想力を確認しているのではないか
- 無関係ワードは、頭の体操としてやっている
こういう、正解があるわけじゃないことを、ああじゃないかこうじゃないかと意見交換できるのも楽しい。その中で、自分の中でヒットしたものを取り入れて、楽しんでいける。
これを楽しめるようになったのもインプロの影響が強い気がするわ。
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